相続人と連絡が取れない!対処法と相続手続の注意点を解説

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「相続手続を進めたいけれど連絡が取れない相続人がいる。どうしよう?」

相続の際には、身近な人だけが相続人になるとは限りません。場合によっては疎遠になっている親族やそもそも会ったことすらない親族があなたと同じ相続人になっていることがあります。

そのような相続人とは、連絡が取れないこともあるでしょう。しかし、連絡が取れないままでは相続手続を前に進めることができません。

連絡が取れない相続人がいる場合には、適切な対処法をとることが必要です。

この記事では、相続人と連絡が取れない場合の対処法や、連絡が取れない相続人がいる場合の注意点について解説しています。

この記事を読むことで、連絡が取れない相続人がいる場合でも相続手続を前に進めることが可能となります。

連絡が取れない相続人は無視して遺産分割の手続きを進めることはできる?

連絡が取れない相続人がいると、どうしてもその人は無視して残りの相続人だけで遺産分割の手続きを進めたくなるかもしれません。

しかし、連絡が取れなかったとしても相続人の地位があることには違いなく、その相続人を無視して遺産分割を進めることは許されていません。

もし連絡が取れないからといってその相続人を無視して遺産分割手続に参加させないまま、残りの相続人で遺産を分割してしまうと、その遺産分割は無効となってしまいます。

遺産分割協議を成立させるには必ず相続人の全てが協議に参加していなければならないというルールがあり、連絡が取れないことは遺産分割協議に参加させなくてもよい理由とはされていません。

無効となった遺産分割は、後から相続人全員であらためてやり直さなければなりません。

例えば、当初はある相続人に連絡が取れないことを理由にそのままその相続人を除外して遺産分割協議を成立させたとしても、後からその相続人が現れて遺産分割の無効を主張されれば、結局は遺産分割をやり直さなければなりません。

遺産分割のやり直しには膨大な手間と負担がかかります。

連絡が取れなかったとしても、そのことを理由にその相続人を遺産分割協議から除外してそのまま遺産分割を進めてしまうことがないよう、十分に注意しましょう。

所在は分かっているが連絡に対応してくれない相続人がいる場合の対処法

相続人の中には、所在そのものは分かっているが電話などで連絡を取っても対応してくれないという人もいます。

そのような相続人がいる場合の対処法についてご説明します。

手紙を送る

まずは相続人に手紙を送ってみましょう。

電話や携帯電話のメッセージではあまり真剣に対応してくれなかったとしても、手紙を送れば真摯さが伝わって対応してくれることがあります。

また、いきなり訪問すると突然のことで驚かせてしまい、やり取りがうまく進まないこともあります。まずは手紙で連絡を取ってみるのが望ましいでしょう。

手紙を送る際には、できるだけ丁寧に、かつ、用件が伝わるように文面を考えるようにすることが大切です。

具体的には、次のような内容を手紙に盛り込むとよいでしょう。

  • 自分の氏名・住所、電話番号などの連絡先
  • 自分と被相続人との関係(親子、兄弟姉妹など)
  • 被相続人が亡くなったこと
  • 手紙を送った相手が相続人となっていること
  • 相続の手続きのために連絡を取り合って協力してほしいこと
  • 遺産の内容(預金、不動産などの具体的な内容)
  • 手紙に対して返信・連絡をしてほしいことと、いつまでに返信・連絡をしてほしいかという締切

手紙を送る際には、普通郵便ではなく、レターパックや特定記録郵便など配達の記録が残る郵便を使うのがおすすめです。そうすれば、確実に相手に届けられたことが確認できます。

また、まずは相続手続のために連絡を取りたいという目的なので、内容証明郵便にする必要はありません。むしろ内容証明郵便は驚かせてしまうだけになるので避けたほうがよいです。

手紙を送ったのに指定した期限までに返事がない場合には、相手がどのように対応したらいいのか分からずに困っているのかもしれませんし、重要な連絡であることが分からずに放置しているのかもしれません。

重要な連絡であって返事がほしいということをはっきりと明記して、もう一度手紙を送ってみましょう。

2〜3回手紙を送っても返事がなければ、次の手段に移ります。

直接訪問する

住所が分かっていて手紙を送っているのになかなか協力的な返事がもらえない場合には、直接訪問してみるのもひとつの方法です。

直接訪問すれば、相続人と会えるかもしれません。相続人と会うことができれば、相続手続に関して直接詳しく説明して協力を求めることができ、手続きが前に進む可能性があります。

直接訪問する際には、全く予告をしないで訪問すると会えなかったり驚かれてしまったりするかもしれないので、できれば事前に手紙などでいつ訪問するかを知らせておくとスムーズに進みやすいです。

また、電話番号が分かっているのであれば、手紙を送るのとあわせて適宜電話をかけてみるのもよいでしょう。もっとも、あまりしつこく電話をかけすぎると警戒されたり態度が硬直化したりしてしまうおそれがあるので、電話は適切な頻度にとどめることが望ましいです。

遺産分割調停を申し立てる

相手の所在が分かっているのにどうしても協力や対応をしてくれない場合には、裁判所に「遺産分割調停」を申し立てるという方法があります。

「遺産分割調停」とは、相続人たちだけではうまく遺産分割協議を成立させられないときに行うことができる裁判手続です。

遺産分割調停を申し立てると、裁判所が中立な立場で間に入り、当事者(相続人)の言い分をまとめたりすり合わせたりして遺産分割の合意が成立するように解決を図ってくれます。

遺産分割調停を申し立てると、相手方(連絡が取れない相続人)には裁判所から調停の場に来るように呼出状が届けられます。裁判所からの呼出状なので、無視をせずにこれに従って調停の場に出頭する人は多いです。

相手方が調停の場に出頭してくれれば、遺産分割のための話し合いを前に進めることができます。

また、仮に相手方が裁判所からの呼出状を無視したとしても、調停が不成立となれば裁判所が審判という形で遺産分割についての判断を示してくれるので、最終的には遺産分割を終えることができます。

遺産分割調停は裁判手続なので、ご自身だけで進めるのは不安だということもあるでしょう。そのよう場合に、遺産分割調停は、弁護士に依頼して代理人となってもらって進めることもできます。

裁判手続なのでうまくできるか不安だったり、申立ての段階からどうすればいいのか分からなかったり自分だけでは対応できなかったりするという場合には、初めから遺産分割調停を弁護士に依頼することがおすすめです。

所在不明で連絡が取れない相続人がいる場合の対処法

そもそも相続人の所在が不明だということもあるでしょう。この場合には、そのままでは手紙を送ったり遺産分割調停を申し立てたりすることができません。

相続人の所在が分からない場合の対処法をご説明します。

戸籍の附票で住所を調査する

所在が分からない相続人の住所は、その相続人の「戸籍の附票」を取得することで調査することができます。

「戸籍の附票」とは、ある人がその戸籍に載ってから現時点までの住所の履歴が記録されている書類です。

現時点の住所が分かれば、手紙を送ったり直接訪問したりして連絡を取ることが可能になります。

なお、戸籍の附票に記録されている住所はあくまでも住民票上の住所であるため、住民登録を変更しないまま引っ越したり失踪したりしてしまっていれば、戸籍の附票で住所が分かったとしても直接連絡を取ることは難しいことに注意が必要です。
戸籍の附票はその人の本籍地の市区町村の役所で管理されているので、戸籍の附票を取得するにはまず所在を突き止めたい相手の本籍地を把握しなければなりません。

探している相手の本籍地は、法定相続人である限り、被相続人の出生から死亡までの戸籍をたどっていく中で把握できる可能性が高いです。

探している相手の本籍地が分かったら、本籍地の市区町村の役所戸籍の附票を請求します。

戸籍の附票は、原則として本人やその配偶者、子などしか請求できません。それ以外の立場の人が請求する場合には、役所の窓口と相談しつつ、遺産相続の共同相続人であって遺産分割を行うために戸籍の附票が必要だということを明らかにして請求するようにしましょう。

このほか、戸籍謄本や戸籍の附票は、自分で取得するのではなく、専門家に依頼して取得してもらうという方法もあります。

戸籍の附票等の取得代行を依頼できる専門家には、次の3つがあります。

■弁護士
■司法書士
■行政書士

戸籍の附票等を代わりに取得してもらうだけであればどの専門家に依頼しても構いません。

もっとも、専門家ごとに「他にも何ができるのか」という権限の点で違いがあるので、相続に関連してその他の手続きもあわせて相談・依頼したいのであれば、その内容に合わせて適切な専門家を選ぶことが大切です。

弁護士であれば、相続全般の相談に対応して具体的なアドバイスをしてくれるほか、他の相続人との交渉や調停・訴訟などの裁判手続なども代理人となって代わりに行ってくれます。これらのことは、司法書士や行政書士では行うことができないので、少しでも迷ったら弁護士に相談・依頼するのがおすすめです。

不在者財産管理人の選任を申し立てる

「不在者財産管理人」とは、探している人の住民登録上の住所は分かったものの実際にはすでにそこに住んでいないなどいわゆる行方不明となっている場合に、その人(不在者)に代わって財産を管理する役割の人です。

戸籍の附票などを使って現在の住所を突き止めたものの、そこにはもう住んでいないしどこに行ったのかも分からないということはしばしばあります。このような場合には、不在者財産管理人の制度を活用して手続きを前に進めます。

不在者財産管理人の選任は、行方不明となっている者が最後に登録上の住所としていた地を管轄する家庭裁判所に対して申し立てます。

不在者財産管理人となることができる人に決まりはありませんが、相続について利害関係を有しない不在者の親族や弁護士などの専門家などの中から、家庭裁判所が選任します。もっとも、行方不明となっている者以外の相続人は、相続について利害関係を有しているといえるため、基本的には不在者財産管理人にはなれません。

参考:
不在者財産管理人選任|裁判所
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_05/index.html

不在者財産管理人が選任されて遺産分割協議に参加する際には、別途家庭裁判所から遺産分割を行うことについての権限外行為許可を得なければなりません。これは、不在者財産管理人の本来の権限としては不在者の財産を保存・管理する行為までしか許されておらず、処分する行為にあたる遺産分割は本来の権限外だからです。

また、不在者財産管理人は不在者本人の不利益とならないように職務を行わなければならないため、遺産分割をするにあたっては少なくとも不在者の法定相続分は確保して遺産分割を行わなければなりません。

法定相続分より少なくなるような分け方で遺産分割をすることは基本的に裁判所が許可しないと考えておきましょう。

失踪宣告を申し立てる

行方不明になっている相続人がある時点から7年以上にわたって行方不明である場合には、「失踪宣告」を申し立てることもできます。

「失踪宣告」とは、一定の条件を満たしつつ条件ごとに所定の期間(単に行方不明の場合は7年など)行方不明である状態が続いた者について、裁判所への申立てにより、法律上はすでに死亡したものとみなす制度です。

事故・災害とは関係なく単に7年以上行方不明である場合には、その7年が満了した時点で死亡したものとして取り扱われます。

失踪宣告がなされるとその者は実際にどこかで生きているかどうかにかかわらず、法律上、死亡したものとし扱われます。

死亡した以上は相続人ではなくなるため、その者を抜きにして相続手続を進めることが可能となります。

ただし、失踪宣告によってある相続人が死亡したものとみなされると、その相続人に子や孫がいた場合にはそれらの子などが代わりに相続人の地位を受け継ぐという「代襲相続」が発生します。代襲相続が発生する場合には、別途その子や孫を相続人として取り扱って相続手続を進める必要が生じるので、注意が必要です。

失踪宣告と不在者財産管理人はそれぞれ、どのような場合に申し立てられるか、どのような効果が生じるかなどが異なります。

失踪宣告の申立てをするのか不在者財産管理人の選任を申し立てるのか、どちらがいいのか分からない場合には、弁護士に相談してみるようにしましょう。

連絡が取れない相続人がいる場合の相続手続の注意点

連絡が取れない相続人がいる場合の相続手続には注意するべき点があります。このことについてご説明します。

連絡が取れない相続人を除外して遺産分割協議を行わない

なかなか連絡が取れない相続人がいると、その相続人は除外して残りの相続人だけで遺産分割など相続手続を進めてしまいたくなってしまいますよね。

しかし、他の相続人の中に連絡が取れない相続人がいたとしても、連絡が取れない相続人を除外して残りの相続人だけで遺産分割協議を行うことは決してしないようにしましょう。遺産分割協議を有効に成立させるためには、相続人全員の合意が必要です。

相続人が複数いる場合では、もし相続人が1人でも遺産分割協議に参加していなければ、たとえ残りの相続人の合意により遺産分割協議を成立させたとしても、その遺産分割協議は無効です。

無効な遺産分割協議に基づいて遺産を分けても、そのような遺産分割は無効です。そのままでは不動産の相続登記を受け付けてもらえませんし、預金等の財産を分けたとしても後から誰かに遺産分割の無効を主張されればあらためて相続人の全員で財産を分け直さなければなりません

連絡が取れないからといって安易にその相続人を除外して遺産分割の手続きを進めてしまうと、後から全て覆されてやり直しとなってしまう危険性が非常に高いです。決して連絡が取れない相続人を除外したまま遺産分割を進めてしまわないようにしましょう。

遺産分割をしないまま遺産を放置しない

連絡が取れない相続人がおり、なかなか所在も突き止められないなどの状態が続くと、もう遺産分割はしないまま遺産を放置してしまいたいという気持ちになってしまうかもしれません。

特に、遺産があまり価値の高くない不動産しかなかったりすると、わざわざ連絡が取れない相続人を探し出してまで遺産分割を進めるのは面倒だという気持ちになることもあるでしょう。

しかし、遺産分割をしないまま遺産を放置することはおすすめできません。特に、土地・建物といった不動産が遺産に含まれる場合には、その価値が高いかどうかに関わらずしっかりと相続手続を完了させることが必要になります。

この理由のひとつに、「相続登記の義務化」があります。

これは、2024年4月1日から相続登記の申請が相続人の義務となったことをいいます。

これまでは相続登記の申請は特に義務とされていませんでしたが、2024年4月1日から、相続によって不動産を取得した相続人は不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務となりました。

また、2024年4月1日以前に相続が開始している場合も、この日から3年の猶予期間内に相続登記申請をしなければなりません。

もしこれらの義務に違反して相続登記をしないままでいると、10万円以下の過料(行政上の制裁金)が課されることがあります。

過料は、罰金と異なり刑罰ではないので前科がつくものではありませんが、国に罰としてのお金を支払うという意味では罰金と同じような性質のものです。

相続登記の義務を果たすためにも、遺産を放置することなく遺産分割を速やかに行うようにしましょう。

参考:
相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始)|東京法務局
https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000275.html

遺産分割をしないまま遺産を放置するリスク

遺産分割をしないまま遺産を放置することには、さまざまなリスクがあります。

このことについてご説明します。

不動産を処分できないまま固定資産税がかかり続ける

遺産分割をしないでいると、相続登記を完了することができません。

遺産の中の不動産を売却するためには前提として相続登記を完了させて不動産が自己の所有名義となっている必要があるため、相続登記が済んでいなければ遺産の中の不動産を売却するなどして処分することができません。

相続した不動産の固定資産税は、相続登記が完了していなかったとしても毎年発生し、相続人が納めなければなりません。

このため、遺産分割を終えて相続登記を済ませなければ、不動産を売却等して処分することができないまま毎年の固定資産税がかかり続けることになるのです。

不動産を売却したり活用したりできないまま毎年の固定資産税を支払い続けることは無駄も多く負担感も大きいものです。

固定資産税の支払いから逃れるためには、遺産分割と相続登記を完了させて不動産を売却等して処分しなければなりません。

不動産をめぐるトラブルに巻き込まれるおそれがある

遺産の中に、空き家や空き地などの不動産が含まれていることがあります。このような場合にこれらの遺産を放置していると、不動産をめぐるトラブルに巻き込まれるおそれがあります。

たとえば、空き家が老朽化して倒壊し、隣接する土地・建物の所有者に損害を与えてしまうかもしれません。また、空き地にごみや産業廃棄物が投棄されてそれが飛散したり有毒物質が流出したりして周辺に被害を生じるかもしれません。

このような事態になれば、相続人が法的な責任を負うことになったり、周囲からの評判が低下するなどの社会的な責任を負うことになったりするなど、不動産をめぐるさまざまなトラブルに巻き込まれる可能性があります。

不動産をめぐるトラブルに巻き込まれるのを避けるためにも、遺産分割と相続登記を完了させて不動産を適切に管理・処分しておくことが大切です。

預貯金全額の払戻しを受けることができない

遺産分割が完了していなければ、遺産に含まれる預貯金全額の払戻しを受けることもできません。

預貯金も遺産分割の対象となる財産であり、遺産分割を完了しなければ払戻しを受けられないのが原則です。

例外的に、法定相続人であれば一定の範囲内に限り、遺産分割前でも単独で預金の払戻しを受けることができますが、その範囲はあまり大きくありません。

法定相続人が遺産分割前に単独で預金の払戻しを受けられる額は、口座ごとに次の計算式のとおりです。

単独で払戻しができる額=相続開始時の預金額×1/3×法定相続分

ただし、同一の金融機関からの払戻しは150万円が上限です。

例えば、相続人が、被相続人(母親)の長男、長女、次女の3名であり(各相続人の法定相続分はそれぞれ1/3)、被相続人の預金として900万円があったとします。この場合に、長男が行方不明で遺産分割が未了のまま、長女が単独で払戻しを請求する場合には、払戻しを受けられる額は次のとおりです。

長女が単独で払戻しを受けられる額=900万円×1/3×1/3=100万円

長女にとっては、遺産として900万円もの預金があるのに、遺産分割を終えなければ単独で100万円の預金の払戻しを受けられるにとどまり、残りの800万円には一切手をつけることができません。

このことは、遺産分割を完了させずに遺産を放置するリスクであるといえます。

なお、上記にかかわらず、家庭裁判所に遺産分割調停等が申し立てられている場合には、家庭裁判所が審判により仮取得を認めた金額の限度で、単独で払戻しを受けることができます。

参考:
ご存知ですか?遺産分割前の相続預金の払戻し制度|一般社団法人全国銀行協会
https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/article/F/7705_heritage_leaf.pdf

相続税の申告で不利益を被ることがある

遺産分割協議が成立していないと、相続税の申告でも不利益を被ることがあります。

相続税の負担を軽減する制度のうち、配偶者控除や小規模宅地等の特例など、一部のものについては遺産分割協議が成立していることが適用の条件となっていることがあります。

遺産分割協議が成立していないとこれらの相続税軽減のための制度が適用されなくなってしまうため、相続税の負担が増えてしまいます。

相続税が発生する程度に遺産の額が大きい場合には、遺産分割をしないまま放置するリスクがより大きくなるといえます。

連絡が取れない相続人がいる場合には弁護士に相談を

連絡が取れない相続人がいる場合には、ここまでにご説明したように、その者を除外して遺産分割をすることはできません。

連絡が取れない相続人がいる場合には、遺産分割調停を申し立てたり戸籍の附票を取り寄せて住所を調査したりするなどさまざまな対応方法があり、状況に応じて取るべき手段を適切に選択して対応することが必要となります。

これらの対応は、ご自身だけで行うことができないわけではありません。しかし、手続きのやり方が分からなければ逐一調べる必要がありますし、自分で全て対応するとなると手間や負担が大きいものです。

連絡が取れない相続人がいる場合には、弁護士に相談することがおすすめです。

弁護士に相談・依頼すれば、個別の事情に応じて適切に取るべき手段を選択して対応してくれますし、裁判手続が必要な場合でも代理人として代わりに手続きを進めてくれます。

ご自身だけでは解決できない場合でも、弁護士に相談・依頼することで前に進めるようになることもあります。

少しでも自分だけでは解決できないかもしれないと思ったら、すぐに弁護士に相談・依頼するようにしましょう。

まとめ:連絡が取れない相続人がいても勝手に遺産分割協議を進めずに弁護士に相談を

連絡が取れない相続人がいると、ついその相続人は除外して残りの相続人だけで遺産分割を進めてしまいたくなるかもしれません。しかし、そのようにして行われた遺産分割は無効であり、後から大きなトラブルに発展してしまうリスクが高いものです。

連絡が取れない相続人がいる場合には、適切な対応を取ることが必要です。

トラブルを防いで適切に手続きを進めるためにも、連絡が取れない相続人がいて自分だけでは対処できないと思ったら、すぐに弁護士に相談・依頼して対応してもらうようにしましょう。

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