相続完了後のトラブルとは?具体的な事例や対応策、弁護士に相談・依頼するメリットを解説

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相続完了後に、遺産分割手続き当時にはなかった新しい事実関係が明らかになるなどすると、深刻なトラブルが生じる可能性があります。

たとえば、相続財産調査に漏れがあって新たな財産・借金が発覚すると、遺産分割協議を再度おこなったり、相続放棄や限定承認に向けた対応を強いられたりしかねません。

また、遺産分割手続き終了後に一部の相続人の使い込みが発覚した場合には、不当利得返還請求権などを行使して、本来承継できたはずの財産の取得を目指す必要があるでしょう。

そこで、この記事では、相続完了後に遺産相続手続きなどに問題があることが発覚した人のために、以下の事項についてわかりやすく解説します。

  • 相続完了後のトラブル事例
  • 相続完了後のトラブルへの対応方法
  • 相続完了後にトラブルが発生したときに弁護士に相談・依頼するメリット
  • 遺産相続発生時に速やかに弁護士への相談が必須な理由

相続完了後によくあるトラブル事例9選と解決策

まずは、相続完了後に起こる可能性がある代表的なトラブル事例をケースごとに紹介します。

  1. 遺言書の効力に関するトラブル
  2. 遺産の使い込みに関するトラブル
  3. 遺産分割が履行されないトラブル
  4. 新たな相続人が見つかるトラブル
  5. 新たな財産が見つかるトラブル
  6. 遺産分割協議の過程で詐欺や錯誤などが存在するトラブル
  7. 不動産の共有に関するトラブル
  8. 遺留分侵害額請求・特別受益・寄与分に関するトラブル
  9. 相続税の申告・納付に関するトラブル

遺言書の効力に関するトラブル

遺言書が残されている場合、故人の意思が反映された遺言書の内容に従って相続が進められるのが一般的です。

ところが、遺言書の作成経緯や遺言書の内容などに以下のような事情が存在する場合には、一部の相続人から遺言書の無効が主張される可能性があります。

  • 遺言書作成当時、被相続人が認知症を患っているなど、遺言能力がなかった疑いがある
  • 公正証書遺言・秘密証書遺言を作成する際の証人が証人適格を欠いていた
  • 遺言書を作成する過程で、被相続人について、詐欺・錯誤・強迫といった事情があった
  • 自筆証書遺言が民法に規定された方式を欠いていた
  • 新しい日付の遺言書が見つかった
  • 不倫相手に全財産を譲渡するなど、遺言書の内容が公序良俗に違反している など

遺言書の有効性に問題がある場合、まずは法定相続人などの関係者の間で、遺言無効について協議がおこなわれます。

話し合いをしても遺言書の効力や財産の承継方法について争いが残るときには、遺言無効確認調停遺言無効確認訴訟といった裁判所の手続きを利用して、遺言書の有効性について最終的な決着を目指さなければいけません。

なお、実際にこのような事実関係がなかったとしても、一部の相続人にだけ有利な内容の遺言書が残されていたときには、ほかの相続人から遺言無効確認の主張が展開される可能性があります。

遺産の使い込みに関するトラブル

相続完了後に遺産の使い込みや隠匿が発覚した場合には、使い込まれた金額を明らかにし、公正な財産承継を実現するための対応をとらなければいけません。

たとえば、被相続人の預貯金口座から使途不明金が引き出されている場合や、被相続人が所有していたはずの高額資産が見当たらない場合には、遺産の使い込みや隠匿の可能性があります。

このようなトラブルでは、使い込まれた遺産を調査したうえで、不当利得返還請求や遺産分割のやり直しをおこないましょう。

遺産分割で決まった財産が払い込まれないトラブル

遺産分割協議などを経て財産の承継方法が決まったにもかかわらず、相続完了後、約束どおりに現金や有価証券、不動産などが引き渡されないトラブルが発生することがあります。

遺産分割が履行されない原因はさまざまです。たとえば、金融機関や証券会社などでの手続きに時間を要していることもあれば、ほかの相続人が手続きを懈怠していたり、遺産が使い込まれているせいで履行するべき財産がなくなっていたりすることもあります。

まずは、金融機関などに照会をしたりほかの相続人に内容証明郵便を送付したりして遺産分割が履行されない原因を突きとめたうえで、遺産分割調停や民事訴訟などの法的措置を検討してください。

新たな相続人が見つかるトラブル

以下のように、相続完了後、新たな相続人が見つかることがあります。

  • 相続人調査が十分におこなわれておらず、遺産分割協議の連絡ができていなかった
  • 遺産分割手続きが完了したあとに、被相続人が存命中におこなった離縁・離婚が無効になった
  • 遺産分割手続きが完了したあとに、父を定める裁判・母子関係存在確認の裁判が確定した
  • 相続開始時に胎児だった者が出生した など

遺産分割手続きには相続人全員が参加しなければいけないので、相続完了後に新しい相続人が見つかった場合、原則として遺産分割は無効です。ですから、このようなケースでは、新たな相続人を含めた全員で遺産分割手続きをやり直す必要があります。

なお、死後認知の場合(遺言によって子どもが認知された場合、被相続人が死亡したあとに認知の訴えが認められた場合)には、すでにおこなわれた遺産分割は有効なものとして扱われますが、認知された子どもはほかの共同相続人に対して、自分の相続分に相当する価額を支払うように求めることができます。

新たな財産や借金が見つかるトラブル

遺産分割の対象は、被相続人に属していた一切の権利義務です。本来であれば、遺産分割手続きをスタートする段階で入念な相続財産調査がおこなわれますが、どれだけ丁寧に相続財産調査を実施したとしても、相続完了後に新たな財産が見つかる可能性はゼロではありません。

新しく相続人が見つかったケースとは異なり、相続完了後に新しい財産が見つかったとしても、原則として遺産分割手続きは有効なままです。すでに成立した遺産分割結果を前提としたうえで、新たに見つかった財産だけを対象にして、遺産分割手続きをおこないます

ただし、以下のような事情が存在する場合には、過去の遺産分割が無効になり、相続財産全体について遺産分割手続きをやり直すことができます。

  • 錯誤:新たに見つかった財産が非常に重要なもので、その存在を知っていれば協議内容が変わっていた場合。たとえば、目立ったプラスの財産がないと思っていたから相続放棄をしたが、高額のプラスの財産が見つかったために財産を承継したいと考えたケースなどが挙げられる。
  • 詐欺・強迫:ほかの相続人が意図的に財産を隠していたり、強行的な手段を使って遺産分割手続きの対象になる財産を除外していたりする場合。

なお、相続完了後に新たな財産や借金が発覚した場合には、一度おこなった相続放棄・限定承認を取り消したり、逆に、熟慮期間経過後であったとしても相続放棄・限定承認を希望したりすることがあるでしょう。これらの変更をおこなうには、錯誤・詐欺・強迫によって誤った意思表示をしたことを丁寧に立証する必要があるので、必ず遺産相続トラブルへの対応が得意な弁護士に相談してください。

遺産分割協議が詐欺・錯誤・強迫の影響を受けていたことが発覚するトラブル

遺産分割手続きの際に、一部の相続人が錯誤状態におちいっていたり、ほかの相続人から詐欺・脅迫を受けていたりしたことが相続完了後に発覚した場合、遺産分割協議の取り消しが問題になります。

この事例では、相続人全員で再び遺産分割協議からスタートし、公平な遺産分割を目指す必要があります。

ただし、詐欺などを理由に先行する遺産分割協議を取り消すには、取り消し原因を知って追認できる状態になったときから5年、もしくは、遺産分割協議のときから20年以内に法的措置をとらなければいけません。

不動産の共有に関するトラブル

相続財産に不動産が含まれていると、遺産分割手続きを経た結果、不動産が共有状態になることがあります。

もちろん、「不動産であったとしても公平に財産を分割したい」「遺産分割手続きで不動産を売却するなどは面倒なので共有するのが一番楽だと感じた」などの事情もあるでしょうから、不動産を複数の相続人で共有するのも間違いではありません。

しかし、不動産が共有状態になると、相続完了後に以下のようなデメリット・リスクが生じる可能性がある点に注意が必要です。

  • 誰が不動産を管理・維持するのかが決まらず、不動産が空き家のまま放置されかねない
  • 不動産の売却や担保権の設定、大規模修繕など、処分行為をおこなうには共有者全員の同意が必要になるため、共有者全員の意思が合致しなければ、不動産をいつまでも有効活用できず、負の遺産化してしまう
  • 光熱費や固定資産税など、不動産を維持するだけでも定期的に費用負担を強いられる
  • 不動産の管理が行き届かず、特定空き家に指定されると、行政上のペナルティを強いられたり、固定資産税などの優遇措置を受けれなくなったりする
  • 共有状態のままさらに相続が発生すると、共有持分が細分化して、子どもや孫世代に共有状態のデメリットを押し付けてしまう
  • ほかの共有者が無断で第三者に共有持分だけを売却すると、見ず知らずの第三者が共有関係に入ってくる(共有持分権が濫用されたり、勝手に不動産に立ち入られたりする)
  • 自分の共有持分だけを売却しようにも、市場価値が低いため、低廉な価額でしか売却できない

現金や預貯金とは異なり、不動産は物理的な按分が不可能です。

法律上は共有持分という形で分け合えたとしても、不動産自体が不可分なものである以上、共有関係になると現実的なデメリットを避けることができません

ですから、相続財産に不動産が含まれている場合には、可能な限り共有状態を避ける方法での遺産分割が推奨されます。どうしても共有状態を避けられない場合や、すでに相続が完了して共有状態になった場合には、事後的なトラブルが生じないような対策をとるべきでしょう。

不動産の相続方法には現物分割・代償分割・換価分割・共有分割の4種類が挙げられますが、どの分割方法にもメリット・デメリットが存在します。また、遺産相続のタイミングでは共有状態にしたうえで、相続完了後に共有持分だけを売却したり、分筆をしたりする方法も考えられます。遺産相続手続きの進捗状況やほかの相続人の意向・経済力など、個別具体的な事情によってどのような対応が適切かは異なるので、不動産のような扱いにくい財産が遺産に含まれている場合には、できるだけ早いタイミングで弁護士や税理士などに相談をしてください

遺留分侵害請求権や特別受益・寄与分に関するトラブル

遺産相続が誰かの権利を侵害している場合には、権利の回復を求めてトラブルが生じる可能性があります。

代表的なケースとして、以下3つが挙げられます。

  1. 遺留分侵害額請求権
  2. 特別受益
  3. 寄与分

一部の相続人が遺留分侵害額請求権を行使する

遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人(配偶者、子ども、親など)に最低限保障された遺産の取り分のことです。これらの法定相続人は、どのような遺言書が残されていようが、また、どのような生前贈与が実行されていようが、遺留分相当額についてだけは確保できるとされています。

遺留分の割合については、民法において以下のルールが定められています。

(遺留分の帰属及びその割合)
第千四十二条 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第一項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。
一 直系尊属のみが相続人である場合 三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合 二分の一
2 相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第九百条及び第九百一条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。
引用:民法|e-Gov法令検索

このように、民法上は一定範囲の法定相続人に遺留分が認められているものの、実際の相続の現場では、遺言書や生前贈与によって遺留分が侵害されるケースが少なくありません。

そして、遺言書や生前贈与などによって遺留分が侵害された場合には、遺留分権利者が受遺者・受贈者に対して遺留分侵害額請求権を行使し、侵害された額に相当する金銭の支払いを請求できます。

(遺留分侵害額の請求)
第千四十六条 遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。以下この章において同じ。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。
2 遺留分侵害額は、第千四十二条の規定による遺留分から第一号及び第二号に掲げる額を控除し、これに第三号に掲げる額を加算して算定する。
一 遺留分権利者が受けた遺贈又は第九百三条第一項に規定する贈与の価額
二 第九百条から第九百二条まで、第九百三条及び第九百四条の規定により算定した相続分に応じて遺留分権利者が取得すべき遺産の価額
三 被相続人が相続開始の時において有した債務のうち、第八百九十九条の規定により遺留分権利者が承継する債務(次条第三項において「遺留分権利者承継債務」という。)の額
引用:民法|e-Gov法令検索

遺留分侵害額請求権が行使された場合、まずは当事者間で協議をおこない、話し合いがまとまらないときには家庭裁判所の遺留分侵害額の請求調停、調停不成立に終わったときには遺留分侵害額請求訴訟で解決を目指します。

なお、遺留分侵害額請求権は、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知ったときから1年以内、もしくは、相続開始のときから10年以内に行使しなければ、消滅時効にかかってしまいます。不利な遺言書などが原因で自分の遺留分が侵害された場合には、速やかに受遺者・受贈者などに対する法的措置の準備を進めましょう。

(遺留分侵害額請求権の期間の制限)
第千四十八条 遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。
引用:民法|e-Gov法令検索

特別受益を主張する

特別受益とは、特定の相続人が被相続人から特別な財産を生前贈与されていたり遺贈されていたりする場合、その利益を相続財産に持ち戻したうえで、遺産分割手続きをおこなう制度のことです。

特別受益の主張がされる可能性があるケースとして、以下のものが挙げられます。

  • 住宅購入資金や教育資金、結婚や養子縁組の費用、長期間に及ぶ生活費の援助など、被相続人からまとまった金額の生前ぞうよを受けていた場合
  • 一部の相続人に対して遺贈がおこなわれた場合
  • 一部の相続人に対して死因贈与がおこなわれた場合 など

特別受益の主張がなされると、特別受益を受けていた相続人は遺産分割手続きで受け取る財産が減額されるため、ほかの相続人との不公平が是正されます。

(特別受益者の相続分)
第九百三条 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思に従う。
4 婚姻期間が二十年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈又は贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈又は贈与について第一項の規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。
第九百四条 前条に規定する贈与の価額は、受贈者の行為によって、その目的である財産が滅失し、又はその価格の増減があったときであっても、相続開始の時においてなお原状のままであるものとみなしてこれを定める。
引用:民法|e-Gov法令検索

2023年4月1日施行の民法改正によって、特別受益の主張は相続開始後10年以内に限定されました。この期間制限を経過すると、原則として法定相続分での遺産分割となり、特別受益は考慮されません。期間経過後に特別受益を主張するには、相続人全員の同意が必要です。

(期間経過後の遺産の分割における相続分)
第九百四条の三 前三条の規定は、相続開始の時から十年を経過した後にする遺産の分割については、適用しない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 相続開始の時から十年を経過する前に、相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
二 相続開始の時から始まる十年の期間の満了前六箇月以内の間に、遺産の分割を請求することができないやむを得ない事由が相続人にあった場合において、その事由が消滅した時から六箇月を経過する前に、当該相続人が家庭裁判所に遺産の分割の請求をしたとき。
引用:民法|e-Gov法令検索

特別受益の有無や持ち戻しについて紛争が生じたときには、遺産分割協議・遺産分割調停・遺産分割審判の手続きのなかで解決を目指すことになります。

寄与分を主張する

寄与分とは、被相続人の財産維持・増加に特別な貢献をした相続人については、法定相続分だけではなく、貢献度に応じた財産が加算される制度のことです。

(寄与分)
第九百四条の二 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。
3 寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
4 第二項の請求は、第九百七条第二項の規定による請求があった場合又は第九百十条に規定する場合にすることができる。
引用:民法|e-Gov法令検索

寄与分が問題になるケースとして、以下のものが挙げられます。

  • 療養看護型:相続人による献身的な介護・看護によって、医療費や介護費用の支出が防がれた場合。
  • 家業従事型:相続人が無給・低額な賃金で被相続人の事業を手伝うことによって、人件費負担の回避や事業活動の継続・成長に貢献したといえる場合。
  • 金銭出資型:被相続人のために、自宅購入費やリフォーム資金などを支出したり、被相続人名義の借金を代わりに返済したりすることで、被相続人の財産減少を防いだ場合。
  • 扶養型:扶養義務の範囲を超えて、被相続人を引き取って面倒をみていたり生活費を援助しつづけたりすることで、被相続人の財産減少が防がれた場合。
  • 財産管理型:被相続人の財産を適切に管理したことによって、財産の増加や散逸防止に貢献したといえる場合。たとえば、被相続人が所有する賃貸物件を相続人の一部が管理をしたために、管理会社などに依頼する費用を節約できたケースが挙げられる。

寄与分を受け取ることができるのは法定相続人だけですが、法定相続人以外の人物の特別な貢献が寄与分の考慮される事例もあります。たとえば、長男の嫁が被相続人の介護を献身的におこなっていた場合には、長男の嫁による特別な貢献を長男の承継分を決めるときに組み込むことができます。

また、どこまでの範囲の貢献が寄与分に該当するのかや、寄与分の算定方法などについても、トラブルが生じるケースが少なくありません。

さらに、特別受益と同じように、2023年の民法改正で、寄与分の主張についても原則10年の期間制限が設けられた点に注意が必要です。

寄与分についてのトラブルは、遺産分割協議・遺産分割調停・遺産分割審判のなかでも扱われますが、個別に寄与分を定める処分調停・審判で解決を目指すこともできます。

相続税の申告・納付に関するトラブル

相続によって財産を承継した場合には、相続の開始があったことを知った日(通常、被相続人が死亡した日)の翌日から10ヶ月以内に、相続税の申告・納付手続きをおこなう必要があります(相続税法第27条第1項)。

適切な方法・内容で相続税の申告・納付をしなければ、以下のデメリット・ペナルティを強いられる可能性があります。

  • 納付期限に間に合わないと延滞税が加算される
  • 申告額が少ないと過少申告加算税が上乗せされる
  • 相続税の申告を怠った場合には無申告加算税が上乗せされる
  • 財産の隠蔽・仮装などによって意図的に相続税の負担を免れようとしたときには重加算税が上乗せされる
  • 税務署からの税務調査に対応しなければいけない
  • 修正申告業務の負担を強いられる
  • 適切な金額を納税できないままだと財産が差し押さえられる など

ただし、相続税の申告手続きは非常に複雑です。たとえば、相続税の申告・納付が免除される基礎控除額の範囲に収まっているのか、相続した不動産や有価証券の算定方法は適切なのか、控除制度は適切に利用できているのかなど、トラブルの火種が数多く存在します。

ですから、遺産相続で一定の財産を承継したときには、念のために一度は遺産相続トラブルへの対応が得意な弁護士や税理士などの専門家へ相談しましょう。

相続完了後にトラブルが生じたときに弁護士に相談・依頼するメリット3つ

相続完了後にトラブルが再燃したときには、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談・依頼をしてください

というのも、遺産相続問題への対応が得意な弁護士の力を借りることで、以下3つのメリットを得ることができるからです。

  1. ほかの相続人などの利害関係者との協議を代理してくれる
  2. 調停・審判・民事訴訟といった法的手続きにも対応してくれる
  3. 相続完了前に相談すればトラブルが生じにくい遺産分割実現に向けたアドバイスを期待できる

ほかの相続人などとの協議を代理してもらえる

相続完了後に遺産相続についてトラブルが生じると、ほとんどのケースにおいて、ほかの相続人などの利害関係者との話し合いが必要になります。

もちろん、当事者同士の話し合いが円滑に進んで平和的な解決を期待できるなら、わざわざ弁護士の力を借りるまでもありません。

しかし、相続完了後に発生する遺産相続トラブルの多くは、当事者間で意見が噛み合わず、お互いに感情的になって協議が進みにくいのが実態です。

弁護士に相談・依頼をすれば、相手方との話し合いの窓口になってくれるので冷静に協議を進めやすくなりますし、当事者双方が納得しやすい着地点を提案してくれるでしょう。

調停・審判や民事訴訟への対応を任せることができる

相続完了後のトラブルについて当事者間の協議がまとまらない場合には、家庭裁判所の調停・審判手続きを利用したり、民事訴訟で解決を目指したりせざるを得ません。

しかし、裁判所の手続きを利用するには、必要書類・疎明資料などを準備したり、期日当日に出廷をしたりするなど、時間的・労力的な負担を強いられます。相続が完了して日常生活を送っているなかで、これらのイレギュラーな出来事に対応するのは簡単ではないでしょう。

弁護士に依頼をすれば、依頼者の代理人としてこれらの手続きすべてに対応してくれるので、依頼者自身は定期的に法律事務所で打ち合わせをするだけで済みます

相続完了前に相談することで将来的な遺産相続トラブルのリスクヘッジになる

本来ならば、被相続人が死亡し、遺産分割手続きが開始する前段階での弁護士への相談・依頼が推奨されます。

というのも、遺産分割手続き開始前に弁護士の力を借りれば、以下6つのメリットを得ることができるからです。

  1. 遺言書の内容をチェックして、遺言無効確認訴訟などのトラブルが発生するかを判断してくれる
  2. 相続財産調査・相続人調査を尽くしてくれるので、遺産分割手続き終了後に新たな財産や相続人が登場するリスクが大幅に軽減する
  3. 遺産の構成内容、相続人同士の関係性などを総合的に考慮したうえで、公平・公正な遺産分割案についてアドバイスをくれる
  4. 協議段階から遺産分割手続きをサポートしてくれるので、調停・審判・民事訴訟などに紛争が発展するリスクを軽減できる
  5. 法定相続分や遺留分、寄与分など、本来取得できるはずの権利をしっかりと主張してくれる
  6. 相続税や贈与税などの申告・納付手続きまでサポートしてくれる など

相続完了後にトラブルが生じたときにはすぐに弁護士に相談しよう

相続完了後にトラブルが生じたときには、すぐに遺産相続問題の経験豊富な弁護士に相談をしてください

過去の遺産分割のやり直しが必要になったり期間制限内に適切な措置を取らなければいけなかったりするなど、素人だけでは対応が難しい状況に迫られるからです。

遺産相続相談弁護士ほっとラインでは、相続完了後のトラブルなどへの対応が得意な弁護士を多数紹介中です。弁護士に相談するタイミングが早いほど穏便な解決を望みやすくなるので、速やかに信頼できる法律事務所までお問い合わせください。

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