相続不動産が売れにくい理由は、相続登記が未了状態である、不動産の状況が芳しくない、売却条件が相場と乖離している、共同相続人の意見がまとまっていないなど、さまざまです。
相続不動産が売れにくい理由ごとに対応方法は異なる以上、まずは、なぜ相続不動産が売れにくいのかを正確に判断する必要があります。
もっとも、相続不動産が売れにくい理由がはっきりしたとしても、実際に対策に向けて動き出すのは簡単ではありません。たとえば、共同相続人間で意見が衝突している状況なら話し合いは必須ですが、いつまでも協議がまとまらないと不動産の維持・管理コストを負担しつづけなければいけませんし、場合によっては、一部の共同相続人が自分の共有持分だけを売却して第三者が共有関係に介入してくる危険性が生じます。
そこで、この記事では、相続不動産が売れなくて困っている人のために、以下の事項についてわかりやすく解説します。
- 相続不動産が売れにくい代表的な理由
- 相続不動産が売れない状況がつづいたときに生じるデメリット
- 相続不動産が売れにくいときの対処法
- 売れにくい相続不動産を抱えているときに弁護士へ相談・依頼するメリット
目次
相続不動産が売れにくい理由4つ
まずは、相続不動産が売れにくい4つの理由を紹介します。
- 相続登記が未了である
- 売却について共有名義人全員の同意を得られない
- 不動産の共有持分は一般の不動産市場で不人気
- 売却価格や物件の状況などの諸条件が受け入れられにくい
相続登記が済んでいないせいで売りに出せない
相続不動産を売却できない1つ目の理由として、相続登記の未了が挙げられます。
そもそも、相続不動産を売却するには、相続人全員で遺産分割手続きをおこなって誰が不動産を承継するのかを確定させたのち、相続登記を済ませたうえで、不動産市場で買主を探さなければいけません。
ところが、被相続人が死亡したあとは、不動産関連の手続き以外にもやらなければいけないことがたくさんあります。日常生活を送るなかで数多くの遺産相続手続きを進めながら、相続登記に関する手続きをおこなうのは簡単ではないでしょう。
そして、相続登記が済んでいない相続不動産は、売主である所有者と登記簿上の名義人が異なる状態なので、所有権移転登記手続きを進めることができず、売却できません。
相続不動産の共有者全員の同意がないせいで売りに出せない
相続不動産を売却できない2つ目の理由として、共有者全員の同意が得られないことが挙げられます。
遺産分割手続きが終了すると、相続不動産が複数の相続人で共有状態になることがあります。
そして、共有名義不動産を売却するには、共有名義人全員の同意が必要です。
つまり、相続不動産の共有者のひとりでも売却に反対したり売却条件などについて意見が合わなかったりすると、相続不動産を売って処分できずいつまでも所有しつづけなければいけないということです。
共有状態の不動産の一部の持分は紛争の原因になるため売れにくい
相続不動産を売却できない3つ目の理由として、共有状態の相続不動産の権利関係を敬遠されることが挙げられます。
遺産分割をした結果、不動産が共有状態になったケースでは、自分の共有持分だけを売却すれば不動産の共有関係から離脱できます。
しかし、不動産の共有持分は一般の不動産中古市場ではなかなか買い手が見つかりません。
というのも、不動産の共有持分だけを取得しても買主にはメリットが少ないだけではなく、扱いにくい不動産の共有関係に巻き込まれるだけだからです。
そもそも、「面倒な共有関係から離脱したい」と売主が考えるような不動産は、一般の不動産市場で敬遠されて当然です。
立地条件や物件の状態、設定価格などが原因で売れにくい
相続不動産が売れにくい4つ目の理由として、立地条件などの不動産の状態や売却条件が挙げられます。
| 問題点 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 立地条件や周辺環境も悪さ | ・駅やバス停などから離れている ・スーパーや病院、市街地へのアクセスが悪い ・坂道が多い、道が狭い、隣家との距離が近すぎる ・工場、墓地、パチンコ店、風俗店などの嫌悪施設が近くにある |
| 不動産の条件や構造の悪さ | ・建物の築年数が古い ・建物が現行の耐震基準を満たしていない ・建物が特殊な間取りをしている ・日当たりや風とおしが悪い ・不整形地や崖地など、土地の形状が悪い ・建物が再建築不可物件に該当する ・賃貸併用住宅やテラスハウスなど、一般的な建物ではない |
| 売却条件の悪さ | ・不動産中古市場の相場よりも売却価格が高い ・資産価値が低く評価されている ・管理費や修繕積立金などが高い ・宣伝や広告が不十分 ・不動産仲介業者が販促に力を入れてくれない |
| 建物の状態や管理状況の悪さ | ・内装や外装など、建物の劣化が進んでいる ・通常どおりの用途で使用するには大規模なリフォームが必要 |
これらのデメリットは法律的な要因ではなく現実的な問題なので、工夫次第ではリカバリー可能です。
売れにくい相続不動産を所有しつづけるデメリット5つ
使い道のない相続不動産はできるだけ早いタイミングでの売却が推奨されます。
というのも、売れにくい相続不動産を所有しつづけると、以下5つのデメリットを強いられかねないからです。
- 相続不動産の維持・管理のための負担を強いられる
- 相続不動産が原因で近隣住民との間でトラブルが生じる
- 相続不動産が特定空き家や管理不全空き家に指定されるとさまざまなデメリットが生じる
- 相続した建物は築年数が長くなるほど売りにくくなる
- ほかの共有者に共有持分を売却されて法律関係が複雑になる
使っていなくても不動産を維持・管理する負担を強いられる
不動産は使わないまま所有するだけでもさまざまなコスト負担を強いられます。
たとえば、空き家状態の相続不動産でも定期的に管理をする必要がある以上、光熱費やネット料金、駐車場代などを支払いつづけなければいけません。
また、固定資産税や都市計画税といった税負担も発生します。
さらに、維持・管理するために、定期的に訪問をして、掃除や庭木の剪定などをする必要があります。
不動産が原因で近隣住民などとトラブルになりかねない
相続不動産を手放さずに所有していると、近隣住民などとの間でトラブルが生じる可能性があります。
たとえば、手入れをしていない建物の外壁や屋根瓦が崩れて隣家を壊したり隣人を怪我させたりしてしまうと、修繕費用や治療費などの損害賠償や慰謝料を請求されるでしょう。
また、近隣住民や通行人などに怪我をさせる危険な状態を認識しながら手入れをせずに放置をすると、刑事責任を問われるリスクにも晒されかねません。
特定空き家・管理不全空き家に指定されかねない
相続不動産を放置したままだと、特定空き家や管理不全空き家に指定されて、さまざまなペナルティを科される可能性があります。
まず、特定空き家とは、以下4つのいずれかに該当する空き家のことです。
- そのまま放置すれば倒壊など著しく保安上危険となるおそれがある状態
- 著しく衛生上有害となるおそれがある状態
- 適切な管理がおこなわれていないことにより著しく景観を損なっている状態
- 生活環境の保全を図るために放置することが不適切にある状態
次に、管理不全空き家とは、適切な管理がおこなわれていないことにより、そのまま放置すれば特定空き家に該当することになるおそれがある状態にあると判断される空き家のことです。
第二条 この法律において「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。第十四条第二項において同じ。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。
2 この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。
(適切な管理が行われていない空家等の所有者等に対する措置)
第十三条 市町村長は、空家等が適切な管理が行われていないことによりそのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態にあると認めるときは、当該状態にあると認められる空家等(以下「管理不全空家等」という。)の所有者等に対し、基本指針(第六条第二項第三号に掲げる事項に係る部分に限る。)に即し、当該管理不全空家等が特定空家等に該当することとなることを防止するために必要な措置をとるよう指導をすることができる。
2 市町村長は、前項の規定による指導をした場合において、なお当該管理不全空家等の状態が改善されず、そのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれが大きいと認めるときは、当該指導をした者に対し、修繕、立木竹の伐採その他の当該管理不全空家等が特定空家等に該当することとなることを防止するために必要な具体的な措置について勧告することができる。
引用:空家等対策の推進に関する特別措置法|e-Gov法令検索
管理不全空き家や特定空き家に指定されると、以下のようなデメリットが生じます。
- 行政から助言・指導・勧告・命令を下される
- 住宅用地特例の対象外になるので、固定資産税や都市計画税の減額措置を受けることができなくなる
- 行政代執行が実行されると、その費用負担を強いられる
- 行政からの命令にも応じない場合には、50万円以下の過料に処される
放置するほど市場価値が落ちるので売りにくくなる
相続で建物を承継した場合、築年数が長くなるほど資産価値が落ちる点に注意が必要です。
つまり、相続した建物が売れないからという理由で放置をつづけると、どんどん資産価値が落ちて、余計に売りにくくなってしまうということです。
ですから、現段階であれこれ工夫を凝らしても相続不動産が売れないときには、できるだけ早いタイミングで売却以外の選択肢も検討するべきだといえるでしょう。
ほかの共有持分が売却されると第三者と複雑な法律関係が生じる
相続不動産を複数人で共有することになったときには、ほかの共有者が自分の共有持分だけを不動産買取業者や見ず知らずの第三者に売ってしまう可能性があります。
そして、ほかの共有者が共有持分を売却して、共有関係に第三者が入ってくると、以下のようなデメリット・リスクが生じかねません。
- 不動産全体について売却・大規模リフォームなどの処分行為をするために、今まで関係性がなかった第三者と協議をしなければいけない
- 共有関係に入った第三者から共有持分の高値購入を要求される
- 共有持分を取得した第三者が相続不動産に勝手に入ってくる
- 共有持分権を濫用される(無断で鍵を交換されるなど) など
相続不動産が売れにくいときの対処法7つ
それでは、相続不動産が売れにくいときの7つの対処法を紹介します。
- 売却条件や売却方法などを見直す
- ほかの相続人と相続不動産の処分方法について再び話し合いをする
- 遺産分割前なら、相続不動産の相続方法を慎重に判断する
- 遺産分割前なら、相続放棄をして相続不動産の売却と関わらないようにする
- 自分の共有持分だけを売却する
- 自治体などに寄付する
- 土地国庫帰属制度を利用して土地を手放す
相続不動産の売却条件や売りかたなどを見直す
希望売価や広告・宣伝が原因で相続不動産が売れない場合には、売却条件や売りかたなどを抜本的に見直してください。
たとえば、「できるだけ高値で売却したい」と思って希望売価を釣り上げたとしても、売れ残ってしまうと手元には1円もお金は入ってきません。それならば、希望売価を多少引き下げたとしてもまとまった金額の現金を得て相続税の納付資金などに活用したほうがメリットは大きいはずです。
また、不動産仲介業者ごとに得意エリアや抱えている顧客層などはまったく異なるので、現在依頼をしている仲介業者で問い合わせがない状況がつづくなら、仲介業者や媒介契約の見直しも検討しましょう。
さらに、不動産仲介業者経由で購入者を探す時間的な余裕がない場合には、不動産買取業者に依頼するのも選択肢のひとつです。仲介業者経由で売却するよりも買取価格は低額になってしまいますが、訳ありの相続不動産でも必ず売却できる点がメリットとして挙げられます。
ほかの相続人がいるなら売却方法などについて再び話し合いをする
複数の相続人で相続不動産が共有状態になっているケースでは、今後どのようにして相続不動産を扱うのかなどについて話し合う機会を作りましょう。
たとえば、不動産の維持・管理コストを負担しながらこのまま不動産仲介業者への依頼を継続して購入者を募るのか、不動産仲介業者を変更して購入希望者を見つけるのか、仲介業者経由で売却するのは諦めて買取業者に引き渡してしまうのか、売却自体を諦めて賃貸物件などの収益化を目指すのかなど、さまざまな選択肢が存在します。
相続不動産の特徴や周辺エリアの状況次第ですが、売却だけが唯一の選択肢ではないので、共有者全員で考えを整理してください。
相続不動産の承継方法についてほかの相続人と協議をする
まだ相続不動産を誰が承継するか決まっていない段階なら、将来的な売却などを見据えた相続方法などについて相続人同士で慎重に話し合いをしてください。
まず、ここまで紹介したように、相続不動産を複数人で共有することになると、将来的にさまざまなデメリットが生じます。
たとえば、共有状態の不具合を避ける承継方法として、以下のものが挙げられます。
- 現物分割:ひとりの相続人だけが相続不動産をそのままの形で相続する方法。相続手続き終了後に共有関係をめぐるトラブルが生じないので比較的売却しやすいが、遺産分割手続きでほかの相続人とのバランスをとるのが難しい。
- 代償分割:ひとりの相続人だけが相続不動産を単独で相続する代わりに、ほかの相続人に対して代償金を支払う相続方法。相続不動産を承継する人物に代償金を負担する資金力が必要。
- 換価分割:相続不動産を売却して現金化したものを相続人全員で分割する相続方法。現金化しているために分割は容易になるが、そもそも売却できないような相続不動産の場合には換価分割自体が困難。
相続放棄をする
相続不動産の売却などの遺産分割手続きに関わるのが面倒なら、相続放棄をするのも選択肢のひとつです。
被相続人が死亡して相続が発生すると、相続人は、単純承認・限定承認・相続放棄のいずれかの態度を表明する必要があります。
- 単純承認:被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も、すべて無条件・無制限に引き継ぐ承継方法のこと。
- 限定承認:被相続人のプラスの財産の範囲内に限ってマイナスの財産を引き継ぐ承継方法のこと。
- 相続放棄:被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がない承継方法のこと。相続放棄をすると、初めから相続人ではなかったものとして扱われる。
相続放棄をすれば初めから相続人ではなかったものとして扱われるので、相続不動産の売却手続きだけではなく、遺産分割協議などに参加する必要もなくなります。
たとえば、売れにくい相続不動産の処分方法を考えるのが面倒な場合、不動産の相続方法でほかの共有者との意見がまとまらなさそうな場合、相続財産に多額の借金が存在しているせいで財産を承継すると借金返済生活が待っている場合などでは、相続放棄をして早々に遺産相続トラブルから離脱するのがおすすめです。
ただし、相続放棄をするには、自己のために相続の開始があったことを知ったとき(通常、被相続人が死亡した日)から3ヶ月以内に、家庭裁判所で相続放棄の申述手続きをおこなわなければいけません。
第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
2 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。
引用:民法|e-Gov法令検索
3ヶ月の熟慮期間内に相続放棄の手続きをおこなわなかったり、以下のような法定単純承認事由が発生したりすると、相続放棄が認められずに相続不動産の処分方法などについて検討をしなければいけなくなるので、注意が必要です。
第九百二十一条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。
引用:民法|e-Gov法令検索
また、相続放棄をすると、相続不動産だけではなく、ほかのすべての財産も承継できません。相続放棄の意思表示をすると余程の事情がなければ取り消しができないので、相続放棄をする前に丁寧に相続財産調査をおこなってください。
自分の共有持分だけを売却する
相続不動産が共有状態になっているせいで全体の売却が難しいケースでは、自分の共有持分だけを売却して共有関係から離脱する手段も考えられます。
共有状態の相続不動産全体を売却するには共有者全員の同意が必要ですが、自分の共有持分だけなら共有持分権者自身の判断だけで売却することが可能です。
不動産の共有持分をほかの共有者や第三者に売却すれば、相続不動産全体の売却について頭を悩ませる必要は無くなるでしょう。
ただし、不動産の共有持分は一般の不動産市場で不人気なので、訳あり物件買取業者を頼らざるを得ない可能性が高いです。この場合、仲介業者経由で売却するときよりも売却価格は低額になってしまいますし、共有関係に取り残されたほかの共有者との関係性が悪化するリスクがある点に注意が必要です。
寄付する
相続不動産が売りにくい場合には、寄付をして手放す方法も検討してください。
たとえば、自治体、公益法人、個人、営利法人など、さまざまな寄付先が考えられます。
ただし、自治体や公益法人への寄付については厳格な条件が設定されていますし、個人や営利法人に寄付する際には贈与税や譲渡所得税などの面への配慮を要します。
土地国庫帰属制度を利用する
令和5年4月27日から土地国庫帰属制度がスタートしました。売れにくい相続不動産を手放したいときには、土地国庫帰属制度の利用も視野に入れましょう。
土地国庫帰属制度とは、相続によって土地を取得したものの管理できないまま放置がつづき、将来的に所有者不明土地が発生することを予防するために、相続や遺贈によって土地の所有権を取得した相続人が、一定要件を満たす場合に限り、土地を手放して国庫に帰属させることができる制度のことです。
第一条 この法律は、社会経済情勢の変化に伴い所有者不明土地(相当な努力を払ってもなおその所有者の全部又は一部を確知することができない土地をいう。)が増加していることに鑑み、相続又は遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)(以下「相続等」という。)により土地の所有権又は共有持分を取得した者等がその土地の所有権を国庫に帰属させることができる制度を創設し、もって所有者不明土地の発生の抑制を図ることを目的とする。
引用:相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律|e-Gov法令検索
土地国庫帰属制度を利用するには、法務大臣による審査・承認手続きを受ける必要があります。以下のように、通常の管理や処分をするよりも多くの費用・労力がかかる土地として法令に規定されたものに該当する場合には、承認を得ることはできません。
- 建物がある土地(建物を解体して土地だけにすれば利用可能)
- 担保権や使用収益権が設定されている土地
- 他人の利用が予定されている土地
- 土壌汚染されている土地
- 境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地
- 一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地
- 土地の管理・処分を阻害する有体物が地上にある土地
- 土地の管理・処分のために、除去しなければいけない有体物が地下にある土地
- 隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理・処分ができない土地 など
法務大臣の承認を受けることができれば、10年分の土地管理費相当額の費用を納付すれば、土地の所有権が国庫に帰属します。
土地国庫帰属制度の利用申請先は、承認申請をする土地が所在する都道府県の法務局・地方法務局の不動産登記部門です。管轄する法務局の連絡先などについては、「管轄のご案内|法務局」をご確認ください。
売れにくい相続不動産があるときに弁護士に相談・依頼するメリット5つ
相続財産に不動産が含まれているケースや、売れにくい相続不動産の扱いに困っているケースでは、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談・依頼をしてください。
というのも、遺産相続トラブルへの対応が得意な弁護士の力を借りることで、以下5つのメリットを得ることができるからです。
- 不動産をどのように相続するべきかを判断してくれる
- 売れにくい不動産の有効活用方法などを提案してくれる
- ほかの相続人との協議を代理してくれる
- 遺産分割調停や審判、民事訴訟などにも対応してくれる
- 相続不動産に関する登記手続きを代理してくれる
不動産の相続方法についてアドバイスをくれる
遺産に不動産が含まれている場合、遺産分割手続きの難易度が格段に高くなります。
というのも、誰がどの財産を承継するのか、不動産を誰かが単独で承継するのか換価するのかなど、相続人同士で意見がぶつかる可能性が高いからです。
遺産相続問題への対応が得意な弁護士に相談・依頼をすれば、相続財産の内容や相続人の関係性や希望内容などを総合的に考慮したうえで、利害調整をしながら最適な不動産の承継方法を提案してくれるでしょう。
不動産の有効活用方法などについてアドバイスをくれる
相続不動産が売れにくいケースでは、売却以外の方法を検討しなければ、いつまでも維持・管理コストの負担を強いられつづけてしまいます。
弁護士に相談・依頼をすれば、提携している不動産業者なども交えながら、最適な土地有効活用方法などを提案してくれるでしょう。
ほかの相続人との協議を代理してくれる
売れにくい相続不動産を抱えている場合、売却条件の見直しや売却以外の処分方法などについて、ほかの相続人と協議をしなければいけない場面がやってきます。また、これから遺産分割手続きが開始するようなケースでは、遺産分割協議などにおいてほかの相続人とさまざまな事項について話し合う必要があります。
しかし、実際の相続の現場では、ほかの相続人と意見が衝突して冷静な話し合いが難しかったり、そもそも疎遠で顔も合わせたくなかったりするケースが少なくありません。建設的で前向きに協議できなければ、いつまでも相続不動産を抱えつづけたり、遺産分割協議が難航したりする可能性があります。
遺産相続トラブルへの対応が得意な弁護士に相談・依頼をすれば、依頼者の代理人としてほかの相続人との協議を進めてくれるので、スピーディーな合意形成を目指すことができるでしょう。
遺産分割調停や審判、民事訴訟にも対応してくれる
相続不動産の取扱いなどについて関係者の間で意見がまとまらないと、家庭裁判所の調停・審判や民事訴訟に発展する可能性があります。
これらの裁判所の手続きに対応するには、裁判所に提出する証拠書類などを用意したり、期日に出廷したりしなければいけません。仕事や家事、育児などで忙しいなかでこれらの手続きに対応するのは簡単ではないでしょう。
遺産相続問題の実績豊富な弁護士に依頼をすれば、代理人としてこれらの裁判所関係の手続きを進めてくれるので、依頼者は定期的に法律事務所で打ち合わせをするだけで済みます。
不動産に関する登記手続きを代理してくれる
相続不動産を承継したときや、相続不動産を売却したときには、法務局で登記関係の手続きをおこなう必要があります。
遺産相続問題への対応が得意な弁護士に依頼をすれば遺産相続手続きのフルサポートを期待できるので、自分で登記手続きをおこなう必要がなくなるでしょう。
相続不動産が売れにくいときには弁護士へ相談しよう
相続不動産が売れにくい理由はさまざまです。不動産固有の原因の場合もあれば、法的な障壁が原因で購入者が見つからないこともあります。
いずれにしても、売却できないまま不動産を所有しつづけることには何のメリットもないので、相続不動産が売れないときには速やかに信頼できる弁護士に相談・依頼をしてください。相続不動産が売れにくい理由を精査したうえで、売却への道を模索したり、売却以外の処分方法について提案してくれたりするでしょう。
遺産相続相談弁護士ほっとラインでは、不動産などの難易度が高い財産が存在する遺産相続問題への対応が得意な弁護士を多数紹介中です。弁護士に相談・依頼するタイミングが早いほど有利な状況を作りやすくなるので、今すぐ信頼できる弁護士までお問い合わせください。