相続登記を放置するとどうなる?義務化違反時のペナルティや手続きの流れ、弁護士に相談するメリットを解説

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被相続人名義の不動産について相続が発生した以上、相続登記手続きは放置してはいけません

というのも、昨今の法改正によって相続登記が義務化されたため、放置をしつづけると行政罰を科されるリスクに晒されるからです。

また、相続登記を放置したままだと、不動産を売却したり担保権を設定したりすることも難しいので、維持・管理コストだけが発生しつづけてしまいます。

そこで、この記事では、被相続人が所有していた不動産を相続した人のために、以下の事項についてわかりやすく解説します。

  • 相続登記を放置してはいけない理由
  • 相続登記手続きを自分で進めるときの流れ
  • 相続登記を放置してしまったときに弁護士に相談・依頼するメリット

目次

相続登記を放置してはいけない理由8つ

相続登記を放置してはいけない理由、相続登記を放置したときの8つのデメリットについて解説します。

  1. 相続登記義務違反を理由に罰則を科される
  2. 相続した不動産を売却できない
  3. 相続した不動産に担保を設定できない
  4. 債権者代位による相続登記をされる
  5. さらに相続が発生すると、権利関係が複雑になって、子どもや孫世代が苦労する
  6. 誰が不動産の管理・維持をするのかが不明瞭になる
  7. 特定空き家や管理不全空き家に指定される可能性がある
  8. 相続登記手続きに必要な書類などの用意できなくなる

相続登記義務違反を理由に罰則を科される

2024年(令和6年)4月1月から、相続登記が義務化されました。

(相続等による所有権の移転の登記の申請)
第七十六条の二 所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。
2 前項前段の規定による登記(民法第九百条及び第九百一条の規定により算定した相続分に応じてされたものに限る。次条第四項において同じ。)がされた後に遺産の分割があったときは、当該遺産の分割によって当該相続分を超えて所有権を取得した者は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。
3 前二項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、当該各項の規定による登記がされた場合には、適用しない。
引用:不動産登記法|e-Gov法令検索

相続登記義務化制度がスタートしたことによって、相続・遺贈によって不動産の所有権を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記の申請をする必要があります

2024年(令和6年)4月1月よりも前に開始した相続によって不動産を取得した場合でも、現段階で相続登記をしていない場合には2027年(令和9年)3月31日までに、また、不動産を相続で取得したことを知った日が2024年(令和6年)4月1日以降の場合にはその日から3年以内に、相続登記をしなければいけません。

そして、正当な理由がないのに、この期間内に相続登記を申請しなかったときには「10万円以下の過料」に処されます

(過料)
第百六十四条 第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条、第五十八条第六項若しくは第七項、第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。
引用:不動産登記法|e-Gov法令検索

正当な理由があれば相続登記を放置しても過料には処されない

不動産登記法で定められた期間内に相続登記の申告手続きをしなかったとしても、期限を徒過したことについて正当な理由があれば、過料に処されることはありません

たとえば、正当な理由の具体例として、以下のものが挙げられます。

  • 相続人の人数が極めて多数であり、戸籍関係書類の収集や連絡先の把握などに多くの時間を要する場合
  • 遺言の有効性や遺産の範囲などについて相続人間で争いが生じているため、相続不動産を誰が承継するのかが明らかになっていない場合
  • 相続登記の義務者が重病や大怪我などを負った場合
  • 相続登記の義務者が、配偶者からの暴力などが原因で生命・心身に危害が及ぶおそれがある状態に陥っており、避難を余儀なくされている場合
  • 相続登記の義務者が経済的に困窮しており、相続登記の申請をおこなうために要する費用を負担できない場合 など

相続登記の申告期限までに遺産分割が決まらないなら相続人申告登記を

相続人が極めて多数で連絡先を入手するのさえ困難なケースや、相続人間で深刻な遺産相続トラブルが生じているために誰がどの財産を承継するのかが決まっていなケースでは、そもそも期限内に相続登記の申告をすることができません。

しかし、被相続人が死亡してから遺産分割手続きが終了するまでは、遺産は相続人全員の共有状態と扱われます。

つまり、正当な理由があるとはいえ、遺産分割手続きが完了しない限りは、権利の帰属先が決まっていない相続不動産の相続登記申告義務を負担しつづけなければいけないということです。

そこで、このような状況に追い込まれた相続人を保護する目的で、相続登記の期限(3年以内)に相続登記の申請が難しい場合に簡易に相続登記の申請義務を履行できるようにする仕組みとして、新たに相続人申告登記制度が設けられました。

(相続人である旨の申出等)
第七十六条の三 前条第一項の規定により所有権の移転の登記を申請する義務を負う者は、法務省令で定めるところにより、登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨及び自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることができる。
2 前条第一項に規定する期間内に前項の規定による申出をした者は、同条第一項に規定する所有権の取得(当該申出の前にされた遺産の分割によるものを除く。)に係る所有権の移転の登記を申請する義務を履行したものとみなす。
3 登記官は、第一項の規定による申出があったときは、職権で、その旨並びに当該申出をした者の氏名及び住所その他法務省令で定める事項を所有権の登記に付記することができる。
4 第一項の規定による申出をした者は、その後の遺産の分割によって所有権を取得したとき(前条第一項前段の規定による登記がされた後に当該遺産の分割によって所有権を取得したときを除く。)は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。
5 前項の規定は、代位者その他の者の申請又は嘱託により、同項の規定による登記がされた場合には、適用しない。
6 第一項の規定による申出の手続及び第三項の規定による登記に関し必要な事項は、法務省令で定める。
引用:不動産登記法|e-Gov法令検索

相続登記の義務者は、登記官に対して、戸除籍謄本などを添付して自らが登記記録上の所有者の相続人であることなどを期限内に申し出るだけで、相続登記の申告義務を履行したとみなされます。

ただし、相続人申告登記をしたあと、遺産分割手続きによって当該不動産の所有権を取得したときには、遺産分割の日から3年以内に、所有権移転登記手続きを履行しなければいけません。

相続した不動産を売却できない

相続登記を放置したままでは、相続不動産を売却できません

というのも、不動産を売却する際には、不動産の所有者と登記簿上の名義人が一致していなければいけないからです。

たとえば、相続登記を放置して被相続人名義のままの不動産は、登記簿上の名義人(被相続人)・不動産の所有者(相続人)という不一致が生じているため、売却できないまま所有しつづける必要があります。

大前提として、相続した不動産を売却する流れを整理しておきましょう。

  • 被相続人が死亡する
  • 遺産分割協議などを経て、相続不動産の所有者を確定させる
  • 相続不動産を承継した人物が相続登記をして自分に名義変更する
  • 不動産仲介業者などに依頼して購入者を探す
  • 売買契約をして登記手続きを進める
  • 譲渡所得などについての確定申告

不動産は資産価値が高い財物なので、登記に実体を反映させるステップが必要です。面倒な手続きに感じるかもしれませんが、相続不動産の売却を検討しているのなら、できるだけ早いタイミングで相続登記手続きを進めてください。

相続登記を放置したままの状態が長いと控除制度が適用されないリスクが高まる

相続不動産を売却して譲渡所得を得た場合には、確定申告をおこない、譲渡所得税を申告・納付しなければいけません。

その際には、本来であれば、以下のような控除制度・特例制度を利用して節税を図ることができます。

  • 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
  • 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
  • マイホームを売ったときの特例

ただし、これらの特例制度を利用するには、特例制度の適用条件を満たす必要があり、また、どの制度にも売却時期について一定の制限が設けられています

ですから、相続登記を放置した期間が長く、売却するまでに相当の期間を要すると、これらの特例制度の適用を受けることができず、譲渡所得税の負担が重くなるリスクが高まるでしょう。

相続した不動産に担保設定できない

不動産には、担保としての価値があります。

たとえば、不動産に抵当権などの担保権を設定すれば、金融機関などからまとまった金額の融資を受けることができるので、事業用資金やマイホーム購入資金などに充てることができるでしょう。

しかし、相続登記を放置して不動産の名義人が被相続人のままだと、担保設定契約自体を締結することができません

以上を踏まえると、相続登記の放置は不動産の担保価値の放棄を意味するといえるでしょう。

被相続人の債権者などによって債権者代位による相続登記をされる

債権者代位による相続登記とは、債権者代位権に基づいて相続登記申請をすることです。債権者が自らの債権を保全する目的で、債務者の有する相続登記申請の権利を、債権者が債務者の代わりに行使します。

(債権者代位権の要件)
第四百二十三条 債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(以下「被代位権利」という。)を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。
2 債権者は、その債権の期限が到来しない間は、被代位権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。
3 債権者は、その債権が強制執行により実現することのできないものであるときは、被代位権利を行使することができない。
引用:民法|e-Gov法令検索

第三者が債権者代位による相続登記をするのは、相続不動産に対して差し押さえを実行するためです。

たとえば、被相続人が消費者金融などから借金をしたまま死亡した場合、被相続人名義の不動産の住宅ローンを返済中に死亡した場合などでは、被相続人の返済義務を承継した相続人から借金を回収しようとします。

そして、債権者が相続人に対して強制執行をおこなうには、相続不動産が債務者である相続人名義になっている必要があります。

そのため、債権者が自己の金銭債権などを保全するために、債務者である相続人に代わって、未了状態の相続登記手続きをおこなう、という流れです。

債権者代位による相続登記をされた場合には、債権者との間で債務の返済について話し合いつつ相続不動産の遺産分割方法を決定したり、相続放棄をして遺産相続手続きから完全に離脱したりするなどの対応方法を検討しなければいけません

さらに相続が発生すると権利関係が複雑になる

相続登記を放置すると、複数の相続人が相続不動産を共有している状態が継続します。

そして、その後、各相続人が死亡してさらに相続が発生すると、相続不動産をめぐる権利関係が子どもや孫世代にまで広がってしまいます

何度も相続が繰り返されると「相続不動産ひとつに何十人もの共有者が存在する」というような混乱した状況におちいりますし、たとえば、共有者すべてに連絡をとって売却などについて話し合うことも事実上不可能になってしまうでしょう。

結果として、せっかくの不動産という資産が塩漬け状態になり、固定資産税などの税負担だけを強いられつづけます。

不動産の管理・維持を誰がするのかがわからなくなる

掃除、庭の植木の剪定、屋根や外壁の修理など、不動産を所有していると定期的なメンテナンスが不可欠です。

しかし、相続登記を放置したままだと、誰が相続不動産の管理や維持をするのかが不明瞭になります。

すると、たとえば、近隣住民との間でトラブルが生じて民事の賠償問題に発展したり、次の項目で紹介する特定空き家に指定されるなどして行政上のペナルティを科されたりしかねません

特定空き家に指定されると税制上の優遇措置を受けることができない

相続登記を放置した結果、誰も不動産を適切に管理しない状況が発生すると、特定空き家や管理不全空き家に指定される可能性があります。

まず、特定空き家とは、以下の要件のいずれかに該当する空き家のことです。

  • そのまま放置すれば倒壊など、著しく保安上危険になるおそれがある状態:建物の破損や不朽、門や看板などの倒壊のおそれがある状態のこと
  • 著しく衛生上有害になるおそれがある状態:汚物の異臭、ゴミの放置などが原因で害獣などが繁殖するおそれがある状態のこと
  • 適切な管理がおこなわれていないことによって著しく景観を損なっている状態:建物に汚物や落書きがされている、立木の繁殖が激しい、既存の景観に関するルールに著しく適合しないなどの状態のこと
  • その他、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態:立木が近隣に散乱している、動物の鳴き声がうるさい、糞尿の臭気がひどい、不審者が侵入している、雪落の危険性があるなどの状態のこと

次に、管理不全空き家とは、適切な管理がおこなわれていないことによって、そのまま放置すれば特定空き家に該当することになるおそれがある状態にあると認められる空き家のことを指します。

(定義)
第二条
2 この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。
(適切な管理が行われていない空家等の所有者等に対する措置)
第十三条 市町村長は、空家等が適切な管理が行われていないことによりそのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態にあると認めるときは、当該状態にあると認められる空家等(以下「管理不全空家等」という。)の所有者等に対し、基本指針(第六条第二項第三号に掲げる事項に係る部分に限る。)に即し、当該管理不全空家等が特定空家等に該当することとなることを防止するために必要な措置をとるよう指導をすることができる。
引用:空家等対策の推進に関する特別措置法|e-Gov法令検索

そして、特定空き家や管理不全空き家に指定されると、以下のようなデメリット・ペナルティが科されます

  • 行政から調査を受けたり、現状を改善するように指導・助言・勧告・命令を受ける
  • 行政からの命令を無視すると、行政代執行が実施されて、費用負担を求められる
  • 行政からの命令を無視すると、50万円以下の過料に処される
  • 行政から勧告を受けると、固定資産税等の住宅用地特例を受けることができず、固定資産税・都市計画税の減額措置の対象外になる(最大6倍に)

相続登記手続きの必要書類を入手しにくくなる

相続登記を放置していると、将来的に売却などを見据えて相続登記をしようと思ったときに必要書類が手に入らない可能性があります。

たとえば、相続登記を放置して二次相続・三次相続が発生すると、相続登記をする際には、共有持分権を有するすべての相続人と協議などをして、戸籍謄本などや委任状などの書類を入手しなければいけません。しかし、相続人が複数になり、連絡先さえわからないような状況になると、相続人調査や相続登記に向けたやり取りだけで相当の苦労を強いられるはずです。

確かに、相続登記の手続きは若干面倒ではありますが、先送りにするよりも今の段階で相続登記手続きを履践したほうが圧倒的に楽です。自分で相続登記手続きをする余裕がないなら、弁護士や司法書士に一任することも可能なので、できるだけ早いタイミングで信頼できる専門家までお問い合わせください。

相続登記は放置せずに自分でできる?手続きの流れ4STEP

相続登記を放置するとさまざまなリスクに晒される点はご理解いただけたでしょう。

ここからは、相続登記手続きを自分で進めるときの流れについて解説します。

  1. 相続人調査・相続財産調査をおこなう
  2. 不動産の遺産分割方法を決定する
  3. 相続登記の必要書類を準備する
  4. 法務局で相続登記の申請をする

相続人調査・相続財産調査をおこなう

まずは、相続人調査・相続財産調査をおこないましょう。

というのも、遺産分割手続きは、被相続人に帰属していたすべての権利義務の承継先や承継方法について、相続人全員で話し合いをしなければいけないからです。

相続不動産を探す方法

被相続人が所有していた不動産を探す方法として、以下のものが挙げられます。

  • 被相続人の自宅などに固定資産税納税通知書や権利証・登記識別情報通知があるかを探す
  • 市区町村役場で名寄帳(固定資産税課税台帳)を取得する
  • 法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)や公図を取得する
  • 2026年(令和8年)2月2日開始予定の所有不動産記録証明制度を利用する

不動産の相続人を探す方法

不動産の相続人が誰かわからないときには、自分で相続人を調査しなければいけません。

まずは、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍)を収集します。婚姻・離婚・養子縁組・代襲相続の有無などの流れを確認しながら、相続人になる人物を特定しましょう。

次に、連絡先がわからない相続人がいる場合には、本籍地の市区町村役場で戸籍の附票を確認します。戸籍の附票を確認すれば対象相続人の最新の住所がわかるので、手紙を送るなどの方法で遺産分割協議への参加などを打診してください。

これらのステップを経ても相続人に連絡が取れない場合には、不在者財産管理人の選任を申し立てるなどの対応策が考えられます。

遺産分割協議をおこなう

相続人及び相続財産の調査が終了したら、相続人全員で遺産分割協議をおこないます。

相続人全員で遺産分割について意見がまとまらないときには、家庭裁判所に遺産分割調停・審判を申し立てて、遺産相続の実現を目指します。

不動産の相続方法には注意が必要

現金・預貯金とは異なり、不動産は物理的には分割できません。

そのため、不動産を誰がどのような方法で承継するかを決める際には、ほかの相続財産の内容や各相続人の意向、承継後の不動産の処分・利用方法などを総合的に考慮する必要があります。

不動産の相続方法として以下のものが挙げられます。

  • 現物分割:不動産をそのままの形で単独で相続する方法。
  • 代償分割:相続人のうちのひとりが不動産を承継し、ほかの相続人には金銭で代償金を支払う方法。
  • 換価分割:相続不動産を売却して現金化したものを相続分に応じて分ける方法。
  • 共有分割:相続不動産を複数相続人で共有する方法。

ここで注意を要するのが、共有分割のデメリットです。

共有分割をするとひとつの不動産について共有状態が生じるので、売却や担保設定、長期賃貸借契約、大規模リフォームなどの処分行為をするにあたって、相続人全員の同意が必要になります。相続人全員の意見が合致しなければ不動産全体を手放すことさえ難しく、最悪の場合、使い道がない状態で塩漬けになりかねません。

また、不動産の共有持分だけの売却を目指そうにも、大幅にディスカウントされた価格で訳あり物件買取業者に引き取りを依頼せざるを得ないのが実情です。

もちろん、現金分割・代償分割・換価分割を選択するのが難しく共有分割をせざるを得ないケースも少なくないとは思われますが、可能な限り、不動産を共有分割するのは避けるべきだと考えられます。

必要書類を用意する

遺産分割協議などを経て不動産の相続人が確定したあとは、相続登記の必要書類を準備します。

相続登記手続きにおいて必要になる書類等として、以下のものが挙げられます。

  • 被相続人の戸籍謄本(戸籍事項証明書)・除籍謄本・改製原戸籍:本籍地の市区町村で入手可能。出生から死亡まで、在籍していた全ての戸籍・除籍謄本が必要。
  • 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票:被相続人の住所地または本籍地の市区町村で入手可能。登記簿上の住所及び本籍地の記載のあるものが必要。
  • 法定相続人の戸籍謄本(抄本)(戸籍事項証明書):本籍地の市区町村で入手可能。被相続人の死亡日以降に発行されたものを準備する。
  • 法定相続人の印鑑証明書:相続人の住所地の市区町村で入手可能。遺産分割協議書に押印された印鑑に関するもの。
  • 法定相続人の固定資産課税明細書:登記申請をする日の属する年度のものを用意する。
  • 不動産の所有者になる法定相続人の住民票:住所地の市区町村で入手可能。
  • 登記申請書
  • 委任状
  • 遺産分割協議書
  • 遺言書:遺言形式によって必要になる書類が異なる。
  • 相続関係説明図 など

法務局で手続きを済ます

相続登記手続きの準備が整ったら、不動産の所在地を管轄する法務局に申請書や必要書類などを提出してください。

また、相続登記手続きはオンライン申請も可能です。

【参照】不動産の所有者が亡くなった(相続の登記をオンライン申請したい方)|法務局

相続登記を放置したときに弁護士に相談・依頼するメリット4つ

さいごに、相続登記を放置してしまったときに弁護士に相談・依頼するメリットを4つ紹介します。

  1. 相続登記手続きを代理してくれる
  2. 不動産の適切な相続方法を提案してくれる
  3. ほかの相続人との協議を代理してくれる
  4. 遺産分割調停・審判、民事訴訟などの法的手続きにも対応してくれる

相続登記手続きを代理して進めてくれる

オンラインでの申請が可能とはいえ、相続登記手続きを自分で進めるのは大変です。特に、誰が相続人かわからなかったり、不動産や被相続人の住所地などが遠方の場合には、必要書類を準備するだけでも、相当な時間的・金銭的な労力を強いられかねません。

遺産相続トラブルへの対応が得意な弁護士に依頼をすれば、相続登記手続きの準備や申請業務を代理してくれるでしょう。

適切な不動産の相続方法を提案してくれる

特に、これから不動産の相続方法について話し合いという段階なら、弁護士への相談・依頼が強く推奨されます。

というのも、不動産の相続方法を決める際にはさまざまな事項を考慮しなければいけませんが、遺産相続実務に詳しい弁護士の力を借りれば、遺産の構成内容・各相続人の意向・不動産の特性・将来的な有効活用の可能性などを総合的に考慮したうえで、適切な相続方法を提案してくれるからです。

これによって、遺産相続手続きが終了したあと、不動産が負の遺産化する事態を回避しやすくなるでしょう。

ほかの相続人との協議を代理してくれる

相続登記を放置してしまった場面では、さまざまな事項について、ほかの相続人などとの間で話し合いをする必要に迫られることがあります。

ところが、家族・親族間で遺産に関する話し合いをしようとしても、お互いが感情的になって、建設的な協議は期待しにくいのが実情です。

弁護士に依頼をすれば代理人としての活躍を期待できるので、ほかの相続人との間でスムーズに話し合いを進めてくれるでしょう。

遺産分割調停・審判、民事訴訟などの法的手続きにも対応してくれる

不動産が相続財産に含まれている場合、遺産分割協議がまとまらず、家庭裁判所の遺産分割調停・審判を利用せざるを得ないケースが少なくありません。

また、「不動産を含む全財産を長男に譲る」といった一部の相続人だけに利益になる遺言書が残されていたような事案では、遺言書の無効確認訴訟が提起されたり、遺留分侵害額請求権が行使されたりする可能性もあります。

遺産相続トラブルへの対応が得意な弁護士に相談・依頼をすれば、これらの裁判所関係の手続きにも対応してくれるので、紛争の長期化を予防し、公平な遺産相続を実現してくれるでしょう。

相続登記を放置する前に弁護士へ相談しよう

相続登記を放置したままでいると、法的なリスクだけではなく、税制上の不利益や、不動産の維持・管理コストの増大などのデメリットを強いられます。

相続登記が義務化された以上、できるだけ早いタイミングで相続登記手続きを進めて、不動産の売却や有効活用などを検討してください。

遺産相続相談弁護士ほっとラインでは、相続登記実務などの遺産相続トラブルへの対応が得意な弁護士を多数紹介中です。弁護士に相談するタイミングが早いほど有利な状況を作り出しやすいので、できるだけ早いタイミングで信頼できる法律事務所までお問い合わせください。

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